アダルトチルドレンとしての親の愛は、子供の負担になるケースもある
アダルトチルドレンや愛着問題を抱えている場合、
自分が母親として、自分の子供に対しては、
自分は「尽くしている」「愛している」と思ってはいても、
子供からすると、それが大きな負担になっているのに、
自分ではそれに気がつかない場合もあります。
アダルトチルドレンの自分は安心できない不安定な環境で育ったので、
不安が強く、恋人や結婚相手・家族などに、
「見捨てられたくない」という不安がつよい場合があります。
それで子供に対しても、「私はあなたに、こんなに尽くしてますよ」
「あなたのために、私はこんなに犠牲になってますよ」
「それだけの事を、あなたは私にいつか恩返しなくてはいけません」
という具合に、
子供に親切にするときに、子供が自分から離れない様な愛し方や、
子供が自分を捨てないという見返りを、期待してしまう愛し方を、
いつの間にかしてしまう場合もあります。
これは気がつかないうちに、
子供が自分から離れない様に、「借り」を作っているようなものです。
子供からすると、「自分は母親の負担なっている・迷惑をかけている」ので、
その分自分は母親とずっと一緒にいて、親を愛して尊敬しなければいけない、
という思いを募らせていきます。
親の期待に沿って、親の思いにこたえるのが、自分の役目や生き方だという思いは、
これはかつては、母親自身が自分の親に考えたような思いなのに、
自分の子供にもさせてしまいます。
これが続くと、子供も将来自分と似たようなアダルトチルドレンや愛着障害の様な
ケースにおちいる可能性があります。
子供は心理的に段々と負担になり、思春期ぐらいになると、
自分でもその負担に気がつくようになっていきますが、
しかし親にはそれを見せず、
まるで何も無いかのように、笑顔で親の期待に応えるように、一生懸命に行動している場合もあります。
家庭の中では、母親は父親から、愛されず、大切にされず、
その寂しさや不満から、子供に「生きがい」を見出して、
子供に毎日「尽くしている」のではあっても、
子供からすると、かなり違う風景が体験されていたりします。
特に父親の暴言や理不尽さで、母親は毎日苦しみ、
自分の「生きがい」が子供になっている場合、
確かに母親は子供に対して、「教育熱心」で立派なまじめな母親かもしれませんが、
子供からすると、母親の悲惨な毎日を見て、
「お母さんのため」にと、学校では成績優秀を続け、
教育熱心な母の期待に沿うようにして、
長い間自分の声を殺していると、
突然子供は、不登校になったりもします。
母親は、この不登校は、「子供の問題である」と思う場合が多いので、
自分の子供が、どれほど追い詰められていたのか、疲れていたのかには、
ほとんど考えが及びません。
そして父親もまた、十分に親の愛を受けられず、機能不全の家庭で育ち、
自分の感情がコントロールできず、
家族に自分の不機嫌さを、ぶちまけたり、
自分の中にある、満たされない不満や不安を、
会社では見せずに、家庭の中で解消しようとしていたりして、
結婚相手(母親)に、暴言をはいたりし、
それを毎日子供は見てアダルトチルドレンに育つという、悪循環の環境が、
社会では気づかれず、隠れるように「そっと」、
でも沢山あちらこちらに存在しています。
父親は、心が満たされていないため、他人を使って自分を満足させるので、
家庭という「密室空間」は、社会の目が届かない分、
自分の不満を解消できる都合の良い場所です。
父親は、自分の心の傷には、気がつかなかったり、
もしくは、気がついてはいても、向き合う意思がないので、
家庭内での自分の暴言をはく支配者としての暴力的な地位を、
見直す機会には出会いません。